monologue

60代主婦のひとりごと

父の命日。

今日は実父の命日。

もう何年になるのかな…。平成6年だったから25年前か。

64歳だったみたい。(今計算してみた)

咽頭ガンで手術して退院してまた入院して…、だんだん悪くなり、24時間の点滴になり、寝たきりになり、だんだん意識が混沌としてきて…。当時のガン患者のシナリオ通りみたいな数年を過ごし、病院で旅立ちました。

私は長女を平成4年に産み、まだ乳飲み児を抱えていたので、なかなか病院にも行けませんでした。

病院は車で1時間以上かかる場所(がんセンター)。実家からはもっと遠く2時間くらいかかったはず。

最期も私は間に合いませんでした。

 

父は昔からお酒が好きで、好きと言うよりお酒なしではいられない?的な(^^;;

酒癖も悪く、子供の頃は、お酒を飲んだ父は嫌いでした。

田舎の農家の長男。終戦の時は多分15、6歳。1番多感な時期に、敗戦で価値観を180度変えさせられ自暴自棄にもなった…と、よく酔うと話してました。(そんな丁寧な言葉じゃないけど(^^;;)

でも、本が好きで博識な父は自分のポリシーもしっかり持っていて、酔うたびに私達子供に話す言葉は、いつしか私達の価値観の根っことして刻まれていきました。

「大事なのは結果じゃなくてどれだけ努力したか…だ」

(親に勉強のことをうるさく言われたことはありませんでした)

「金の貧乏はしても、心の貧乏はしちゃならねぇ」

(たしかに金の貧乏はしたけど…(^^;;)

《生きていく上で1番大切なのは心の豊かさ》

それを色々な場面で、態度や言葉で教えてくれた父でした。

私は顔も、性格や好みも父に1番似ていました。

 

父が亡くなってから、不思議な夢をよく見ました。

実家に行くと亡くなったはずの父がいるのです。いつものようにコタツのいつもの場所で寝そべってテレビを観ています。

私は母に

「なんでいるの?死んでるはずだよね」(夢なのでこんな会話も普通にしてる( ̄∇ ̄))

と言います。母も困ったように

「そうなんだよね〜、まだいるんだよ」と普通に返します。

…夢なので(⌒-⌒; )

 

もう一つよく見た夢は、

父が親戚や友人を家に集めて宴会をしている夢。父は自分がもう死んだことをそこで皆さんに伝え、一人一人にお酌しながらお礼(お別れ)を言っているのです。その場にいる人たちは、特に驚きもせず和やかに父も交え談笑しています。(夢だから)

私や母、姉は隣のお勝手からそれを見て泣いているのです。

 

何度もこれらの夢を見て私が気づいたのが、「父はどんなにか家に帰りたかったか、どんなにかみんなにちゃんとサヨナラをしたかったことか…」でした。

実際、父が入院していた時、家で1人で寝ていた母は、「居間で確かに誰かが歩いたり電気を引っ張る音を聞いた」と話してました。

生き霊じゃないけど、魂だけは家に戻ってたのかな?とも思いました。

 

父が亡くなった頃は、今みたいに在宅医療の体制も無く素人には情報も入らず、病気になったら病院で死ぬ…が当たり前だった気がします。特に田舎は。

あれから四半世紀が過ぎ、世の中は驚くほど変わりました。

父が今も生きてたら…、病気になるのがもっと遅かったら、もう少し悔いなく旅立てたのかな?

 

命日の今日は、そんなことばかり考えてました。

父の命日の翌日は私の誕生日。なので、毎年セットで思い出します(^^;;

 

お読み頂き有難うございました。